NPO法人 ニュースタート事務局関西

「一億総混乱時代」髙橋淳敏

By , 2016年7月17日 10:00 AM

いまのこの原稿を書いているのは2016年7月の参議院選挙前だが、この通信が出るころにはテロでも起こらない限り、選挙の結果はすでに出ている。どうだったろうか、やはり自民党の勝利だろうか。それとも次の選挙や、憲法改正を前に、だめなことはだめだといえる野党政党の爪痕が残っただろうか。長く低迷する政治とともに有権者は弱り果て、この機に乗じて統制を始めようと躍起になっている自民党勢力と、どうしたらいいかはわからないが一部の人の勝手にはさせまいと阻止しようとする野党政党の戦いで、見ていると与党側も一枚岩ではないし、野党側もそれぞれの思惑が見え隠れしていてまとまりはない。といって、第三極がでてくるかといえば、これが弱い。白黒つけなければ、○か×かでないと分かりにくいのだろうが、他が出てくるようでないと、物事は上手くいかないのではないか。今回も与野党混乱している中で、現政権のことを○か×でやろうとした結果、消費税や憲法改正など具体的な争点はうやむやにされてしまったのではないだろうか。アベノミクスは明らかに失敗だが、その恩恵を受けていないことが恥ずかしいからか、そこはみんな白こい顔をしている。この方針に賛同しないのは自分が価値のない人間だと認めるようなのだろう。自分より生活が貧しそうな人と比べて私はまだましだなんて、「足るを知る」なんて言葉でお化粧をしただけの、弱いものいじめの傍観者だと私は思うのだが。もっと豊かに生きたい。さて、この投票行動で何かを主張することができるのだろうか。みなさんどうだったろうか?

テレビなどを批判して「一億総白痴化」といったのは大宅壮一という評論家だが、この人はわれわれが普段生活している高槻市の富田(村)町に生まれ育った人でなじみがあるし、この地域の生活者として先輩である。エッセイなんかで戦後の日本人を一億総被害と形容してみたり、「一億総~」という言い方によって日本の行方を批判的にも言い表したかったのだろうと思われる。「一億総~」なんて言い方はどうも戦争時の「一億総玉砕」からきているようだが、これなんかは批判などではなく軍部や時の権力者からの掛け声であって、現政権が「一億総活躍社会」といったのに近い発言の仕方である。意味としても、私なんかは「一億総活躍!」との掛け声は、「一億総玉砕!」というのと同じような感じで、そんなのたまったものじゃない、そのような立場から言われたくない、このような政権が力を持つような社会からは早く逃げ出さなくてはならんなと思ったのは、私だけでもないはずだ。でも、一方でこのような社会に乗り遅れてはならないと思うのが薄情で、日本や家族を守らなくてはならないなんて思わされれば、自らが利することがなくとも何が敵かもわからず、原発や集団的自衛権や憲法改正案がアベノミクスの掛け声のもとに活躍していくのを、眺めているのだった。一億総白痴化時代に生まれ育ったわれわれの世代だから仕方もないのだろうと、あきらめもするのだが、どうにもやりきれないのが心中である。

引きこもりが始まったのは、一億総中流社会とまで言われた社会に産み落ちた子どもたちが、さてどのように生きていこうかと、大人になろうと社会参加を考えたときである。いいテレビが欲しい、マイホームが欲しい、車が欲しい、誰からも邪魔されず便利でファンタジックな幸せ核家族を作りたい。そのような薄情な物語でも個々人の間で共有されているならばまだ良かったのか。一億総白痴化と批判されようが、皆が幸せになれると思う方へと歩んだのだった。それぞれが私利私欲でも横を見れば、皆が同じように情けない顔をしていてよく分からずとも協力することがあった。そして一億総中流社会が達成され、その申し子たちが社会に出るとき引きこもった。働こうと意欲があった若者までもが、就職氷河期などで社会の入り口ではじかれ、人間不信にまでなったものだった。違うじゃないか、と。みなの所得を増やすために我慢して築いてきたこの社会とはいったい何だったのか。だれも自分や家族のことぐらいしか考えてなくて、仕事でも協力なんかしてくれんじゃないか。働くといったって自分のためにだけでしかないじゃないか。これでは存在自体が迷惑じゃないか。引きこもっていれば、他人に迷惑かけんし、無駄なお金も使わんし、栄養たっぷりの培養液に浸かって夢見がちな生物として生きていくのなら、これこそががまさに時代の理想ではないか。引きこもることこそが社会の要求じゃないか。

そんなようなに思っていた人たちが、でもいろいろとたまらずニュースタートの鍋の会にきて食べて話したり、一緒に生活する中でぶつかりながらも人との信頼を回復していく様子は、とてもドラマチックであったし予想外のことが連続して起こる人間物語であった。それだのに、われわれは、いまでも周りから培養液の中で夢見て眠っていればいいじゃないと、起きるな起こすなと何度も何度も同じ選択をせまられ、いや培養液はいいのだけどもいやいやと、何度もつらい同じ選択をさせられる。それは普通ではない。何かの依存症から脱却しようとしているに過ぎない。そんな選択をいくらやったって、報われないし、友達なんかできやしないし。いや、いや、そうかもしれないけども、いやいやどうにも。社会に出るということは、孤独でいつもパニック状態にあることなのだ。こんな社会に誰がした。混乱はここに極まれり、あとは悪夢の中で事態は決定されていくだろう。ああ、友よ。正気を保つのが困難だ。

2016、7,15 高橋淳敏

直言曲言 第338回「参政権」

By , 2016年7月17日 10:00 AM

今回の参議院選挙から18歳以上の人に選挙権が与えられる。参政権が拡大されるのは戦後の1945年、20歳以上の男女に拡大されて以来である。それまで、男子は25歳からであり、女子の普通選挙は初めてであった。戦前はこのように限定された選挙権の下であんな戦争が行われたのであるから、私など参政権の拡大は無条件に「良いこと」と考えていた。

1945年以来、約70年、参政権の拡大は抑えられたままである。制限選挙のままでも、あのような戦争が行われたのである。国体護持が叫ばれる中、参政権拡大など行われれば、どのような革新的な事態が現れるのか?保守勢力は参政権問題が持ち上がるたび戦々恐々としていただろう。ところが,自公勢力が国会の3分の2を占め、革新勢力を侮るや、参政権の拡大が現実化してきた。おそらくここまで来るまでには、何度かのシミュレーションが行われ、18歳以下の青年層が参政権を得ても、大した変化が起きないと高をくくられているのだろう。青年層の「保守化」も言われている。青年層の「投票率」もそれほど高いとは思えない。

参院選挙の結果はどうだったろう?英国のEU離脱など高齢層と若年層の意見の違背が目立つ今日、日本でも若者の主張が世間を驚かせても良いころだと思っている。成人以来、一度も棄権したことがない私だが、選挙による国政の転覆に期待しているわけではない。期待はしていたのだが、何回もの選挙に期待を裏切られ、期待を抱けなくなった。私は71歳、20歳で選挙権を得てから50年余。その間に衆議院と参議院の国政選挙は約30回、私など良い加減な性格だが、一度も棄権したことはない。子ども時代、貧しい生活だった私は貧困は敵だと考えている。貧困を生み出すのは自民党政治で、世界的にはアメリカ帝国主義だと思っている。アメリカ支配からどう抜け出すかはともかく、自民党政治を打倒できなければどうしょうもない。過去50回の国政選挙、毎回今度こそはと期待して来た。だが毎回その期待は裏切られてきた。最近は自民党がいけないのではなく、日本の国民がいけないのだと思うようになった。裏切られ続けて71歳。多分もう残りは10年以下だろう。その間に国政選挙は何回あるのだろう。多くて5回か6回。毎回期待をつなぐのは、しんどくなってきた。

そうだ『冬眠』をしよう。誰か選挙が目覚ましい結果に終わったら、起こしてくれ。それまで新聞の選挙結果もTVの開票速報も見ないでおこう。目標は反自民党の勝利だが、今回の参院選挙については、18歳以下の人の投票率50%以上と改憲議席阻止に目標を下げておこう。

☆旅行決まりましたー!!鳥取へ☆

By , 2016年7月15日 12:00 PM

2016年ニュースタートの夏の旅行が決定しました。

今回はちょっと遠くの鳥取へ行く事に決まりました!

 

・日程: 8月22日(月)~24日(水)
・参加費:27,000円
(大阪~鳥取間往復高速バス代・朝夕食2日分・宿泊代・シーカヤック体験・ボランティア保険等含む)
・集合場所:阪急梅田駅
もしくはドミトリー(高槻市)
※詳細は申込み時にお伝えします
・集合時間:阪急梅田駅 8時50分
・宿泊先:NPO法人「十人十色」(十人十色は子供から高齢の方まで生きづらさを持った人たちが多く集まる場所です。様々な人達との出会いも期待しています。)
〒689-1227
鳥取県鳥取市用瀬町安蔵991

※参加申し込み締切:8月12日

旅行行程の予定としては、

1日目

朝大阪を出発して、昼頃鳥取到着

→「十人十色」さんのやっている食堂でお昼ご飯。

→昼からは泊まる場所のすぐ裏にある川で川遊びをしたり、夕食の買出しに行ったりします。

→夕食は「十人十色のメンバーのみなさんと交流会のBBQimages

2日目

午前中から鳥取市の方へ行き、砂漠を見に行きます。お昼を食べて、昼から浦富海岸でシーカヤック体験で洞窟の中を通ります!!初めてのシーカヤックドキドキです。(もちろん強制ではないですよ。近くの海辺で遊んだり、他の場所に行っても自由です)

→夕食はなににしましょう(^^)images

3日目

昼前に十人十色を出て鳥取駅周辺でお昼を食べたり、砂の美術館に行ったり?

15時頃のバスで鳥取を出発して18時頃大阪につくと思います。

詳しくはこれから決めて行くので参加される方はぜひご意見も下さい。早めの申し込みをお願いします!rakuda

☆鍋の会出張します!!滋賀大津☆

By , 2016年7月11日 12:09 PM

7月24日(日)の鍋の会は、久しぶりの出張鍋の会になります。

時間はいつも通り12時スタートですが、場所が違います。

滋賀県大津市の「りぼーんスイッチ」さんにお邪魔します。

駅で待ち合わせてみんなで歩いて向かおうと思いますので、winterb04[1]

集合場所をご確認ください。

 

【集合場所、時間】

JR琵琶湖線「瀬田」駅改札口に11時半集合。

または、JR摂津富田駅改札口に10時半集合になります。

人数確認など必要になってくると思いますので、参加される場合は、

ニュースタート事務局関西の電話または、メールアドレスへ必ず申し込みをしてください。

 

今回は、滋賀県大津市の共生シンフォニーさんがやっておられる「りぼーんスイッチ」の方々と共催で開催する事になりました。

この「りぼーんスイッチ」さんはこれから、引きこもり支援などの活動を始めるにあたり、「鍋の会」をやっていきたいということで、今年の春ごろから何度かニュースタートの鍋の会にも参加されていました。hanami_boys

今回は初めてそちらに私たちがお邪魔してみんなで鍋の会をやってみようという事になりました。

りぼーんスイッチのスタッフの方もおもしろくて優しい方が多く、いつもとは違う場所でやるということで新鮮な気持ちにもなります。ぜひいつも参加してもらってる方も滋賀でお近くの方ももちろん初めての方もたくさん参加して頂きたいと思います!

 

 

7月の鍋の会

By , 2016年6月27日 10:00 AM

★7月の鍋の会★

開始時間は12時になりました。

第377回  7月10日(日)12時~16時

第378回  7月24日(日)12時~16時 ※出張鍋の会 @滋賀大津「りぼーんスイッチ」

集合はJR摂津富田駅に、10時半。JR琵琶湖線「瀬田」駅に11時半です。

参加希望の方は必ず申し込みをお願いします。

7月は出張鍋の会をします。これはいつものドミトリーではなく、

他の場所に出かけて行ってそこで鍋の会をやるというものです。

今までには、お花見や、マラソン応援や、元寮生のおうちなどで開催したことがありました。

今回は滋賀の引きこもり支援団体の方と共催でやる予定です。

詳しく解り次第、HPでお知らせしますね。

☆鍋の会は、作るところからみんなでやりたいと思います(^^)v

買い物も12時から行こうと思うので、何鍋にするかぜひアイデアください。

食べたい鍋のリクエストも大歓迎です。

久しぶりの方も始めての方もぜひご参加下さい。

本人がなかなか動けない段階の場合は親御さんだけでもぜひご参加下さい。

鍋の会には寮生や、生きにくさを感じながら動こうとしている若者も参加しています。

自分の子とはなかなか話せないかもしれませんが、他の若者と話してみてください。声を聞いてみてください。

参加申込みは事務所まで、電話かメールでお願いします。

詳細はこちら

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