vol.2 引きこもり時事通信 Dec, 2013~Jan, 2014
引きこもりにまつわる、興味深い、気になる、疑問を持つ・・・etcのニュースをご紹介し、解説、感想、場合によってはツッコミ等を付記するコーナーです。(栗田)
不登校増加、高校生の1.72%?
http://mainichi.jp/shimen/news/20131216ddm013100056000c.html
(毎日新聞 2013年12月16日 東京朝刊)2012年度に高校で不登校だった生徒は約5万8000人で、前年度より約1300人増えたことが文部科学省の調査で分かった。不登校生徒の割合は全体の1.72%で、04年度の調査開始以降、同年度(1.82%)に次ぐ過去2番目の高さになった。 不登校生徒が増えた理由を、都道府県教委に聞いたところ「無気力な生徒や人間関係をうまく構築できない生徒が増えた」などが挙がったという。一方、小中学校の不登校児童・生徒は約11万3000人で、前年度より約4800人減った。全体における割合は1.09%で前年度(1.12%)より微減だった。【三木陽介】
・・・「無気力な生徒や人間関係をうまく構築できない生徒が増えた」っていう理由があんまりにも浅いというか、私が不登校をした(もはや四半世紀前)ころの、あまり事態を把握しようとしていない教師の言っていることとどこが違うのかと思いましたが、むしろ教育現場の構造が変わらない(教師の労働条件は非正規雇用が増えていて厳しくなっている)のかとも感じました。大学の不登校という状況から生まれたニュースタートですが、不登校という状況についても、いまいちど知る必要があると思います。何が変わって、何が変わらなかったのか、を。
韓国:高学歴化・ニート族は増加、青年就職率は低下
http://www.xinhuaxia.jp/1131333737
(2013年12月17日)韓国紙「中央日報」の12月16日付報道によると、韓国銀行調査総括チームによる「青年雇用の現状および示唆点」という報告書で、韓国の産業内両極化構造が高学歴青年の失業者を量産しており就職率を下げているとしていた。報告書は青年労働者に対する税制支援策の導入などの対策を提出した。
2012年末を基準として、韓国の青年層(15~29歳)の就職率は、経済協力開発機構(OECD)の平均(50.9%)より低い。高学歴化とニート族の増加が主因となっている。
2005年~2012年の中青年層の人口数は40万人減ったが、教育機関通学を理由に経済活動に参加しない青年層は45万人、ニート族は15万人の増加となった。大企業と普通企業の待遇における差が大きく、大企業を望む青年が多いことからも更に就職率を下げることになっている。
(翻訳 王秋)
・・・ ニュースタート千葉は設立にあたって、イタリアの人たちとの交流が重要な要素となったそうですが、海外ではニートと呼ばれる状態がどうなっているのかを知るのは重要だと思います。。個々人の性格や精神的なものだけを焦点にあてるだけではなく、しかしニート「族」って面白い書き方。なかなか「族」というふうに群れられないのがニートと呼ばれる立場の人間であったりするとも思うので。
中年ニート 支える老親
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=89826
(2013年12月17日 読売新聞)ニート(若年無業者)や引きこもりは若者の問題と思われがちだが、最近では当事者が30代、40代という例も珍しくなくなってきた。その親たちも高齢化し、負担が大きくなっている。「私の力で、いつまで子どもたちを支えていけるのでしょう」。引きこもりの長女(36)、長男(34)と東京都内で暮らす母親(60)は、ため息をつく。(略) 厚生労働省の定義するニートは、15~34歳で仕事をせず、通学・家事を行っていない人。昨年度は全国で63万人いたが、35歳以上は含めていない。内閣府は引きこもりについて、2010年に調査した。対象は15~39歳、6か月以上家にとどまり、近所のコンビニや趣味の用事以外外出しない人を約70万人と推計しているが、40歳以上のデータはない。ニートも引きこもりも、比較的若い世代の問題と思われがちだ。
(略) NPO法人「全国引きこもりKHJ親の会」理事長の池田佳世さんは「引きこもる子どもの年齢が高くなり、親も高齢化している」と話す。(略)池田さんは「子どもが30代、40代、それ以上になっても、親が意識を変え、子どもとの関係を見直そうとすることが解決につながる。子どもだけでなく親を支える仕組みが必要」と訴える。
親や家族を支える仕組みについてふれていたので、取り上げました。ニュースタートは家族をひらくがテーマですが、「支える」とはどういうことなのかも、一緒に考えていきたいものです。一方的に誰かが誰かを支える、サービスを与える、というのではなく。
3月から育児女性も「お試し雇用」 政府、奨励金対象を拡大
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/140104/ecd1401040701001-n2.htm政府は、ニートやフリーターを試行的に雇用する企業に支給するトライアル雇用奨励金の対象を拡大し、3月から育児で離職した女性も対象とすることが3日、明らかになった。国内では第1子出産を機に6割超の女性が離職する状況が20年来続いており、この層の正社員への再就職を後押しする狙いがある(略)。 トライアル雇用を行う企業は実施計画書をハローワークに提出。ハローワークから対象者の紹介を受け、3カ月間の有期雇用契約を結ぶ。企業は対象者1人のトライアル雇用につき、月額最大4万円の奨励金を3カ月間、受けることができる。3カ月後に企業と働き手が合意すれば正社員雇用に移行する。トライアル雇用を希望する求職者は、ハローワークや民間の相談窓口で紹介を受ける必要がある。長期の離職で復帰に不安がある場合も、試用期間を経ることができるため、企業側も求職者も再就職のハードルを下げることが期待される。政府は14年度当初予算に119億円を計上した。(略)
ニート、フリーター、そして育児女性が仕事を奨励金を取り合うみたいな構図にならないのかと、と心配になったので取り上げてみました。「この層の正社員への再就職を後押しする狙い」ともあるので、「層」としてひとくくりにして椅子の取り合いをさせられるとすれば問題・・・。