3月18日(金)17頃~ 同志社大学 烏丸キャンパス 志高館SK265
この日私はみんなから一時間ほど遅れて大学に向かいました。今出川駅について歩いて烏丸キャンパスに向かう時、ものすごく豪華で巨大な同志社大学の建物の横を通ってきました。一人わからない場所で周りの威圧感に、いやだ…帰りたいと思いながら。でもきっとここに通うという事は「こんな立派な大学に通っている」という一つの誇りにもなるんだろうとも感じました。今回この会をさせてもらったのは冨山先生の研究室で、中に入るととても小さなスペースで、本が両脇に並んでいて、よく知っている人と初めての方もいて、そこでやっとほっとしました。冨山先生が言われてましたが、最近の大学は…、同志社大学は…、とひとまとめに言われてしまうけれど、あの大学の○○教授の話は面白い!という風に見てもらいたいと。そんな風に大学を選べるなら、就活する為だけにリクルートスーツを買ってどこにかはわからないけれどとにかく就職しなくてはならない4年間なんていう大学生活ではなくて、あの教授の下で勉強したりしなかったりする中でゆっくり社会を見て(その教授のところにこうして外部の人が関わったりして他の大人の姿も見られるなら)考えられる時間になるのかもしれないと思いました。家にいても大学に行っても限られた大人の姿しか見れないなら、今の若者は大人になることの想像なんてできないのではないだろうか。そしたらどうして働く事に希望なんて持てるだろう。色んな人がいて助け合えて、働いたり、働いてない人もいて、人生なんとかなるもんだと思える体験や出会いこそ、若者には必要だと改めて思いました。ニュースタートの共同生活寮もそんな場所の一つでありたいです。(く)
感想にかえて
義理人情に からめられ
波風たたぬ 忠実は
言語明瞭 意味不明
熟練してこそ 型破り
大本にある 教養は
一体全体 どこいった?
↑参加してくれた元寮生のMDくん。今でもこの周辺で暮らして働いたりしながら、ニュースタートに関わる人と一緒に面白い事していこうと考えてくれている人。
大学を出て正社員になり、30歳までに結婚して子供を作るはずだったのに…、という見出しから始まりました。今回の企画を担当した福神さんと長井さんが当日の進行もしました。残念ながら初参加の方は少なかったですが寮生も来てくれたので勉強会に重点を置いた会になりました。今回の特別例会を受け感じた事は参加者の「普通」の見解は様々で一概に引きこもりに限った話ではないと思いました。誰だって弱点があり不得意な事もあり失敗だってする。家族や世間の情報でいつの間にか普通の水準を決めてしまい、注意されたり反省を繰り返す度に劣っていると認識してしまうのではないかなと。それと同時に社会では学歴や資格などの価値観が過剰に優遇され続けている。そんな社会からの期待に答え続けていてはもはや普通の人間ではなく高性能人間の域に達しているのではないかと思う。普通ってもっと普通な事じゃないでしょうか。ちなみに終盤、参加者全員に自分が普通かどうか問いに挙手してもらった結果大半の方は普通じゃないと自分で感じているという答えでした。

『370回目の鍋』
3月27日。寒かったりそうでもなかったりと春らしい季節が近づいて参りました。
この日もどんな鍋にしようか決めるところから鍋の会が始まります。気付いてる方もいらっしゃるでしょうが、事前に「次はこういう鍋にしよう」とかそういう事は一切考えていません。本当にその日その場に集まった面々で一から決めているのです。
そんな事で大丈夫なのかと心配になるかもしれませんが、なにせ今回で通算370回も続けてきたわけですから、割といつも何とかなってます。慣れているベテランさんがそこにはいるので、新しい人にも全体的な流れを教えやすいよう自然になっているのだと自分は感じています。
さて……と言うわけで、今回は味噌ベースの鍋にしようと言う事に決まりました(冬場はトマトやキムチなど赤い物が多かった)。味噌鍋の味付けは出汁と味噌だけでも出来るので楽で良いですね。買い出し組を待っている間に待機組は今の時間で出来る事だけしておきます。今回はタマネギがその場で使える物があったので切ってもらったり。待機中にも参加者さんが続々と……中には開始時間を1時間遅く勘違いしていた人もいました。前は1時から始めていましたが、今は12時からなので覚えておいて下さいね。特に前からの参加者さん達は間違えやすいと思うので気をつけて下さい。そんなこんなで買い出し組が帰って来てから本格的に動き出しました。味付けを担当しましたが、使ったのはだしの素と味噌オンリー。
シンプルで良いなと自分は思ってましたが、どうやら物足りなさを特に女性陣が感じていた様子。
一度目の具材があらかた食べられた頃を見計らい、女性スタッフと女性参加者のコンビが味付け改良に取りかかっておりました。そして改良の加えられた味噌鍋にはこくのあるクリーミーな味わいが……聞いたところバターも加えたとの事です。これはこれで……なかなかに美味い!元々濃い味好きな自分としてはこっちの方が合っていたかもしれません。普段は仕事上の都合でどちらかと言うと薄味にするように癖がついてしまっているので、自分のではこれほどの味は出せてませんでした。作る人によって味が変わると言うのも、これもまた鍋の醍醐味というやつではないでしょうか。
『371回目の鍋』
4月3日。この日は鍋は作らず、お花見をしに外へ出掛ける日でした。
天気は雨が降るのかどうなのか怪しい感じでしたが、晴れてる時間もあったので少なくとも花見中の天候は問題なかったです。車組、自転車組、電車組と三手に分かれ、先に着いた車組と自転車組がバーベキューの用意を先にしてくれていました。電車組はJR高槻駅に集まり、歩いて15分~20分ぐらいの所にある芥川桜堤公園という場所を目指します。この公園は5月にたくさんの鯉のぼりが上げられる事で有名らしく、自分も幼い頃に連れて行ってもらった事を頭の片隅に記憶していた事を思い出しました。当日は桜も綺麗に咲いていて、たくさんの花見客で賑わっていました。青い空と桜を見て、バーベキューで肉や野菜を食べ、美味しいお酒を飲む。年に一度のこの季節だけのイベントを精一杯楽しみます。少し楽しみが行き過ぎてる人も自分を含め居ましたが……(笑)。帰りの道中で雨が少しずつ降り出してきて、本当にギリギリな天気だったなと思いました(晴れたり曇ったり降ったり)。
次回の鍋の会は第4週目の日曜に開きますのでよろしくお願いします。つぼい。
定例会報告
3月19日(土)に14名参加(内御家族さん4組)でした。
定例会は高槻青少年センターさんと共催しています。そのセンターのスタッフTさんがこの春で定年退職を迎え、今回が最後の定例会という事で挨拶がありました。七年半今の役職をされておりその間ずっと共に定例会を構成してきました。これまで長い間色々とお世話になりました。お疲れ様でした。
父母懇談会報告
4月2日(土)に7名参加(内親御さん4組)でした。
寮生、通所生の親御さん達が参加されました。子供からの反応がないので謝ろうかと思う話題がありました。具体的に謝る事があれば良いですが引きこもる現状で漠然と謝っても育て方や産んだ事までも親の失敗として認めているとも考えられます。そんな事をしても子供の気持ちが晴れるはずありません。
「問題は君だ。何を開発したいですか」
新しい課長がにこやかに問いかける。
会社に慣れてきた4年目、清酒開発の部門に所属が変わった。醸造は何一つ知らない。
「どれでもいいです」と答えた。
他の社員が希望を埋め、最後に残った低アルコール清酒の開発をあてがわれた。
(誰もやりたくないテーマだ)
女性向けの日本酒は売れにくいからだ。
ところが新しい常務が女性で、これを最優先課題にした。
(うそ…)
素人の私に補佐が何人も付き、一か月後には試験醸造することに決まった。
「まずは普通の方法でするしかない」
困った顔で課長が仕込み配合を決めた。できた酒から異臭がする。製造部長が、
「次に失敗したら開発中止だ」と言う。課長はにこにこして、
「ここからだ。この結果があるから次に行ける」
普通でない仕込みを検討する。数か月試行して決め、部署の会議にかけた。
「いつのまにこんな仕込みに変えたの?」
驚きの声が上がる。
試験醸造に入る。好奇心で醪をなめると、あまりのまずさにのけぞった。完成時においしくするための工夫だった。
試みは成功し、一番に商品化された。
次の課題はにごり酒の改良だった。
「君は普通でない酒の専門ね」
既存の製造工程を自由に組み替えていく。
午後から他社と打ち合わせる予定の日、昼休みにロッカールームで寝過ごした。全社一斉放送で名前を呼ばれて目が覚め、急いで机に戻る。
課長は大声で笑い出す。
(いや、叱るところでしょ!)
勤務態度も普通でなくてよいらしい。
人間関係に悩む仲間から相談を受けた時には、勤務時間中にも話し込んだ。何も責められなかった。仲間は辞めてしまい、課長は
「解決できればよかったのに」とつぶやく。
部下を管理せず、大切にする。
やがて課長は部長になった。厳しくなった経営を向上させる提案が全社員に求められた。
「部署を超えてチームを作り開発過程を全社員で共有する」これまでではありえない商品開発案を書いた。
この提案だけが通った。
リーダーになった。別々の部署から若手が集まる。見知らぬ営業課長がこのチームを認めるよう上司に土下座して頼んだ。上部から批判は多く、開発過程を全社員に見せている。自分を信じチームを導かねば先はない。本業に手が回らない私を部長は責めず、
「ここまで来たら製品化」とはっぱをかける。
結局、技術的な理由で製品化されなかったが、商品案は高い評価を得た。
この仕事から学んだことは多すぎた。
退職した。
これも普通ではない。いつも普通はなかった。だからいっぱい成長させてもらった。
*
元同僚とはその後もたまに会ったが、部長には年賀状すら出さなかった。10年ぶりに、元同僚との飲み会で再会した。
(全くなつかしくない)
昨日も会っていたような感覚に襲われた。私の今の仕事を根掘り葉掘り聞いては意見してくれる。
「年に一回会うの。じゃあ来年も」
私は今、出会った当時の彼と同じ年齢になる。
…まだまだ普通だ。
2016,4,14 長井潔