6月例会報告
6月21日(土)10名参加(内家族の方は7名)でした。前回の例会での話から7月号の通信の文章をまとめた。引きこもり問題の「当事者」とは、引きこもりという状態の人が増えていっている社会を構成している「私たち一人一人」である。
「当事者研究」について。これは統合失調症を患った人たちのグループが始めたもの。その当時は精神障害においても個人を治療することが普通だった。薬を処方したり、カウンセリングをしたりして個人を社会に適応させること。それだけでは元気になっていかない。その時に自分たちで仕事を作ったり、自分たちの病気を医療から取り戻そうとした。医療においては妄想は良くないものとされる。そのためそれを取り除くために治療される。そうではなくその当事者研究では自分たちの妄想を取り戻そうとした。集まって自分の妄想について話すことをした。これは何をしているかというと水平な、フラットな関係を作ろうとしている。「なかま作り」これは引きこもっている人にも当てはまる。同じ時代に引きこもるという状況に置かれている人同士、水平な関係で話ができる。そういう場を大事に考えて作ろうとしてきた。
皆さんの話から。人によって少しずつ時期は違うが、中1から高2くらいの間で、例え小学生の頃は友達と元気に遊んでいた人でさえ、学校での受験勉強や競争社会を目の当たりにしショックを受ける。繊細で真面目な人ほど傷ついて動けなくなる。
引きこもっている時は、自分へのプレッシャーをかけ続けている状態。自分を責め続ける、自分をどうにかしなくてはならないと考え続けること。心のカメラはずっと自分の方を向いている。その目線を外に向けることができれば動き出せる。そのためには、外からの刺激や、他人からかけられた何気ない一言や態度が必要。それを家族は知り、背中を押すことしかできない。背中を押すとは、本人が外に出て行くときに目の前でこけないように何かにぶつからないように立ちふさがるのではなく、家を開いて外から風を入れ、本人と外との関りの間に入らず大丈夫だと信じて伝えることだろう。(くみこ)