まごのてコラム 第3回 【 仲間 】
ニュースタートの活動から生まれた『日本スローワーク協会』。
そして、そのスローワーク協会から出口さんが立ち上げた便利屋【まごのて】。
立ち上げに至るまでの経緯や【まごのて】の今をお伝えするため、連載でお送りしています。
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この2年間、ニュースタート・スローワーク協会で「新しい生き方・働き方」を自分自身が模索しながら、大きく分けて2つの事が見えてきました。
一つは、「就職難」「仕事がない」という言葉を耳にする中であったとしても、街で暮らされている人達が、個々の生活の中で人手を必要とする場面が実際にあり、凄いサービスを提供できる大きな事業所でなくとも、今の自分から別人になるくらいの立派なスキルを身につけずとも、僕達にできる事を小さくても発信することで、人と人との繋がりや関係の中から「仕事」というものは生まれてくるという事が見えてきました。
もう一つ、ここからが前回の通信に載せて頂いた「自分」と「自分以外の人」との関係をどう築いていけばいいの?という問いと「まごのて」で何をやっていくのかという、僕自身も悩み迷いながら、少しずつ少しずつ見えてきて、少しずつ少しずつ築かれていく、自分一人ではなく『僕達』『私達』と呼べる、友達・仲間についての事です。
立ち上げ当初は、「仕事がない」「働く場がない」のであれば、「仕事」を生み出せば自ずと人が集まり「働く場」になっていくものだと思っていましたが、大切な事は「仕事」を生み出していく一方で、共に成していく「仲間」と呼べる人がいなければ何も成されていかない現状があるという事でした。
初めの数カ月は何も分からず必死に、「依頼が入ってくるにはどのように動いたらいいのか?」「単価の設定はどうしたらいいのか?」と、相談や協力してくれる方に、実際に仕事をするため一緒に現場に行く事なども含め、「仕事」の話しばかりが自分自身の頭の中や生活の中心となり、合う度、話す度、「仕事仕事仕事」と染まっている自分がいて、そんな自分は数少ない協力してくれようとしている大切な人達を疲れさせてしまい、距離を置く時期などもありました。自分の人生を振り返り「どんな時間がしんどかったか」「どんな場所にいる事が辛かったか」「どんな働く場所に疲れたのか」と自分に問うた時、自分が「自分以外の人」の中にいる時に、自分の事は理解されていないと思えたり、必要とされていなかったり、認められなかったりと思える時だった・・・としみじみする事がありました。
協力してくれようとしてくれていた人達の事を考えた時、相手の事を考慮できずに「仕事仕事仕事」となる人の相手をする事は疲れるし大変だったはずだと反省すべき点がたくさん見え、協力してくれている人達に時間を頂きその事を素直に謝りました。
1年、2年と話し合いを重ねながら、人生は「仕事」だけではなく、かといって「遊び」だけでもない。踏ん張る場面もあれば、息抜きをする時間もある。まごのては、この先どうやって生きて行けばいいのだろうか?という問を抱える中、生きていくために必要な「衣」「食」「住」の事を考えて、自分達で「仕事」を生み出して行くという事と、しかし、また決して働く事だけではない、言葉では表しにくいですが人の思いみたいなものを大切に、1人1人が、独りではなく「僕達」「私達」と呼べる「場」を作って行ければと思います。
現在では、関係者の方達のアドバイスやお力をお借りしながらコモンズで月に2回ほど、仲間作りのサロンを始めさせて頂くようになりました。
つづく