NPO法人 ニュースタート事務局関西

vol.3 引きこもり時事通信 Jan~Feb, in 2014

By , 2014年2月15日 5:39 PM

引きこもりにまつわる、興味深い、気になる、疑問を持つ・・・etcのニュースをご紹介し、解説、感想、場合によってはツッコミ等を付記するコーナーです。(栗田)

「親との同居」が急増するイギリスの若者(グラフ)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/22/young-people-parents_n_4641693.html
The Huffington Post UK  |  執筆者: Asa Bennett
投稿日: 2014年01月22日 15時21分 JST  |  更新: 2014年01月22日 15時28分 JST

イギリスでは現在、親と同居している若者の数が330万人を超えていることが明らかになった。その原因は、若者たちに自立して生活するだけの経済的余裕がないためだと考えられる。
国家統計局(ONS)の調査によると、親と生活する20歳から34歳までの若者の数は、近年急激に上昇しており、1996年から2013年までの間に66万9000人(25%)増加している。しかも2008年以降、増加のペースはさらに加速している。

国家統計局のリリースによると、親と同居する若者(20歳から34歳)は1996年には21%だったが、現在は26%になっている(20歳から24歳、49%)。18歳から24歳の失業率は現在19%(2013年4月から6月)。

イギリス全国住宅連盟のデビッド・オア代表は、次のように述べている。

「実家を出て自分自身の家に住むことは、これまでは誰もが経験する通過儀礼だった。けれども、この統計から明らかなように、現在のイギリスでは、若者が親元を離れて自立することが困難な状況だ」
「成人した子が1人以上同居していると答えた親のうち3分の2(66%)が、同居の理由は単に家を出るだけの経済的余裕がないためだと回答している。そして、今後この状況はさらに悪化していくだろう。われわれの調査から得られた予測によると、2020年までに家賃水準は39%、住宅価格も35%上昇する」
「立地条件が良く、生活のしやすい家を適正な価格で提供していかないかぎり、若者たちは、いつまでも子供の頃の住まいに留まることになる。親たちも、人生の次の段階へと進むことができないだろう」

日本の総務省統計局は、20歳から34歳の「親との同居の若年・壮年未婚者」について、1980年から2010年までの推移をまとめている。それによると、20歳から34歳のうち、親と同居する未婚者の率は2010年には47.5%になっている。30代後半~40代前半の男性の約2割が、親と同居する未婚者という調査結果もある。Asa Bennett(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]

・・よく、「ひきこもりは日本独自の問題だ。欧米では、成人になったらとにかく外へ出すのが習慣なのだから、欧米ではひきこもりなどありえない」などとよく言われていたるするが、その日本人の思い込み(?)を覆してくれるような出来事。というか、1996年の時点でも21%の若者は親と同居していたんじゃないかー!子どもがいつまでも子どものままで・・・と嘆く方もおられるとおもうが、そのような背景にはこの住宅事情がある。日本の状況は、さらに親との同居が増えている。家族をひらくがテーマのニュースタートは、この住宅事情を横目ににらみながら、今後を考える必要があるだろう。

若者の5人に1人がニートの国も… 世界の失業者、初の2億人超え
http://newsphere.jp/economy/20140122-3/ 更新日:2014年1月22日

2014年版ILO年次報告書によると、世界経済の回復が脆弱なため、世界的に労働市場の改善につながっておらず、2013年の失業者は世界で500万人増大し、2億200万人に達した(失業率6%)。この傾向は今後数年続き、2018年には2億1500万人が職を求めることになる見通しである。

【労働市場の現状は】
ILO年次報告では、「多くの部門で業績は上向いているが、それは実体経済ではなく主に資産市場に向けられ、長期的な雇用はダメージを受けたままである。つまり経済の回復が雇用の創出につながっていない」と現状を分析している。(略)

【若者の失業率の世界的傾向は】
特に若者を取り巻く雇用情勢は厳しい。各紙は、15歳―24歳の若者の失業率の高さを強調している(13%)。この数字は、全労働者の失業率の2倍、成人の失業率の3倍に達しているという。 ガーディアン紙によると、若者のニートの数が増大しており、スペイン、アイルランドでは若者の5人に1人がニートだという ガイ・ライダーILO事務局長は、「若者が失業問題の最前線にいる。この事態は社会の安定を脅かす」、「政策の見直しが必要だ。雇用創出を急ぎ、雇用を生み出す企業の支援をすべき」と各紙に語っている(略)

仕事がない、ないしは、ある程度安定して将来の展望を立てられる仕事がない、ということの大きな原因は、経済成長が資産市場、いわゆる株投資などの原因によるもので、実体経済の成長ではないということにある。まずここを押さえる事なしに現在の若年層が置かれた曰く鬱屈した事態、先の見えなさ・・・などは語れないと思う。だから具体的にどうしたらいいんだ!と言われるとどうしようもないですが。だからこそ、2chなどでアフィリエイトや株投資に活路を見出す方が出てきてしまうのはこの現実の反映であることだけは間違いなく、そういう意味では若年層は「わかっている」のだとおもう。

「フリーターこそが、これからの正社員である」―日本MS 樋口社長・パソナ南部代表対談
http://ascii.jp/elem/000/000/858/858583/

樋口 「雇用」という概念をなくすというのはどういうことですか?
南部 企業の雇用形態というのは、戦後からまったく変わっていません。家庭の主婦が社会進出したり、規制を緩和して四角いモノを少し丸くして転がす、 というような若干の変化はありましたが、ちゃぶ台ごとガラっとひっくり返すような変化はありません。 だが、働き方を根本的に変えていかなくてはならない。それが「雇用」という概念をなくすということにつながります。
私は、「フリーターこそが、これからの正社員である」と思っています。午前9時から午後5時まで働くというのではなく、介護しながらとか、第2子、第3子を育てながら、あるいは、サッカーをしながら、絵を描きながらというようにやりたいことをしながら、仕事をする。場合によっては、弁護士資格取得の勉強をしながらという働き方もあるでしょう。 やりたいことをやる環境を維持しなから、午前中だけ、あるいは土日だけ、またはプロジェクト単位で参加して、食べていけるだけの仕事をする これは、フリーターと言われる人たちの仕事の仕方と同じです。ただ、これを実現するには、企業側の雇用に対する姿勢も必要ですし、 年金制度を含めたセーフティネットが、国家レベルで張り巡らされることも必要です。いずれにしろ、これからの時代は、「雇用」というものが変化することになるはずです。 (略)
樋口 ひとつの仕事に固執しない働き方といえますね。

ただ、一言、思いっきり突っ込みたい。「年金制度を含めたセーフティネットが、国家レベルで張り巡らされる事も必要」とあるが、年金が払えない人が多くなっている中で、首を切りやすく、立場も弱く、もちろん収入も低い人を増やして、どうするんだ、という。まあ派遣会社にとって望ましい事ということで。引きこもり状態⇔バイトの往復を一番望んでるのは派遣会社とかあたりの人かしら。

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