2016.出張相談会第一回の報告
2016.出張相談会 ~引きこもりから見た生活
第一回「親元での暮らし、一人暮らし、共同生活」
今回の出張相談会は奈良市内で開催しました。週末だったので観光客も多く街は賑わっていました。第一回目は生活のカタチと引きこもりについて話しました。
いま親と住んでいるという若者は、大学を休学していた時に親から家に戻ってくるように言われ戻ってきたものの、親と一緒に生活している状況はめちゃくちゃしんどい。いま外に出かける理由があまりなくて家で過ごしていることが多く、自分はひきこもっていると思う。何かやろうとバイトを見つけて行ってみようかと思うが親から働き方についていろいろ言われ、自分で考えてすることにも何か言われるんじゃないかと思って動けないとのことでした。
また元寮生に一人暮らしで10年近く引きこもっていた当時の生活について話をしてもらいました。身のまわりのものは買い物に行っていたが、それ以外は部屋でこもっていた。親が訪ねてくる時は会ったり会わなかったりしていた。一度精神科の医者を連れて来たことがあり、薬を置いていったが全く飲まなかった。参加者の親御さんからその状況は話だけ聞くと引きこもっているかんじと違うようにも思うなぁと感想がありました。一人暮らしは生活するのに必要なことを自分でやらないといけなくて、部屋にこもりっぱなしでいるのは無理で外に出るときもある。だから部屋にずーっと引きこもっているわけでないと周りの人は思う。ただ外に出ているとはいえ人と関わっていない状況で生活していてるのは社会との関わるきっかけもなく、誰からも気にかけられることがないと思う。だんだん感覚が麻痺してきてその生活が長くなると思う。元寮生に訪問活動を受けた時の気持ちを後日聞いてみると、腹くくったかな、と言ってました。
親御さんから家の様子を聞くと子どもと話をするとき、普通だったら、普通やったらこうすると、つい言ってしまうとありました。普通に生活するというのはどういう生活のことをいうのかなと私自身考えさせられました。子どもと離れて生活している親御さんから子どもが家を出た後の生活について聞くと、特に変わらない、出ていってくれた時に解放感があった、とありました。当たり前ですが本人の生活が変わると親の生活も変わるんだと思いました。親と一緒に住んでいるのは快適で経済的だと思われるが、引きこもった経験のある人にしたら親と共同生活しているようなもので窮屈で申し訳ない気持ちになることもある。それでも生活を変えられない、家を出て生活できない自分に対していろいろ考えていると思う。共同生活は一人暮らしに比べて経済的であるからでなく、他人と一緒にいる、人の輪の中にいるということが大事だと思う。この後続けて行われる出張相談会でもまた違う角度から取り上げていきたいと思います (福神)