NPO法人 ニュースタート事務局関西

初めての方

 「社会的引きこもり」と言われるようになってから、15年ほど経過していますが、引きこもりの状態にある人は減っていません。ひきこもって長期化し年齢を重ねる人があれば、若い世代に新たにひきこもる人があります。まずは、今置かれているだろう引きこもりの状況が、それほど特殊で稀有でないことをご理解ください。この問題で悩んでいるのはあなただけでもありませんし、ひきこもっている本人やあなたの家族だけが苦しんでいるのではありません。私たちは「引きこもりは病気ではない」と主張しています。同時に「社会的引きこもり」という言葉が示すように、それは個人や家族的な問題ではないと考えています。

 個別的に、ひきこもりは10代後半にその兆しがあらわれることが多く、進学や就労問題との関連性、昼夜逆転や外出できない(対人恐怖)神経症などを伴い、家族に対する依存や暴力…などがその状態として表れます。家族自体もひきこもりがちになり、親戚や近隣や友人には頼れず、ついには親が死んだ後の子供の心配をしだします。引きこもっている人やご家族の苦悩は大変なのですが、社会的にも彼らや家族がおかれている状況を考えれば、ここで陥っている出口のないような状態は「当然」であるのです。一つ簡単に申し上げれば、彼らの社会的な役割がないのです。例えば、就職氷河期と言われるような時代の状況を見るもあきらかに、一部新卒など勝ち上がった者を除いて、多くの若者が「人」として今の社会には必要とされていないようであります。

 彼らにコミュニケーション能力がないとか、社会性が欠如しているという見方があるわけですが、彼らの存在に関心はないのに、友達もなく彼らに話しかける人がいないのに、彼らにだけ自発的なコミュニケーションをさせようとしているのです。何かを一緒にしているのでもなく、彼らにだけ能力や開けた気質を求めようとする社会の側の無関心な態度こそが、社会的な引きこもりを生んでいるもっともな理由であります。彼らの努力や能力が足りないから、病気だからひきこもるのではありません。何度も言いますが、彼らが悪いのではありません。親だからできることもありますが、子供が望むように親は変われません。そして、この問題には、ひきこもる彼らと同じ地平に立っている第三者的な存在が大きな役割を果します。

 私たちは鍋の会や訪問活動など、引きこもりの支援には必要だと思われる活動を続けてきました。そういった活動の中で、共同生活寮や地域での仕事を作ってきました。ひきこもりに対する支援の形は、ようやく少しは整いつつあるように考えています。ですが、その支援も含めた彼らが出ていく「社会」を作っていくのは、今もひきこもっている世代であります。このホームページをご覧になって、実際にニュースタート事務局関西を訪れてもらい、この問題を解決していければと願っています。

2012年5月    ニュースタート事務局関西代表 高橋淳敏

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