NPO法人 ニュースタート事務局関西

近況報告2015年度

By , 2015年5月17日 10:00 AM

ここで毎月紙面を割かせていただき、似たような話しも重ね重ね多かったかもしれませんが、伝えたいことを文章にしてきました。今回はちょっと休憩するようなつもりで、ニュースタートやその周辺の近況を書かせてもらいたく思います。というのも、いろいろとありすぎて、知っておいてもらいたいことだけでも、ここに書くのがよさそうだと思った次第です。

 

先月までに、3回にわたって「発達障害のうそ」というテーマで京都や神戸で特別例会をやりました。以前、この通信の編集をしていた方から、上のテーマで文章を書いた時に、「発達障害」は「発達障がい」と「害」という漢字を「がい」とひらがな表記しなくてもいいのかと指摘を受けまして、その前にはひらがな表記で文章を書いたこともあったのですが、この時はごまかさないためにも、漢字表記にしたようなことがありました。今回特別例会をやる中で、障害は個人にあるのではなく社会との間に、むしろそれは社会が個人に対して設けたものとして「障害がある」と、「障害」はちゃんと漢字表記にするべきだと考えました。ただ、「発達障がい者」として個人を指す場合、障害を持っている者とは考えていないので、そもそもおかしな言葉で使いたくはないですが、どうしても使わなくてはならない場合はごまかすためにも、ひらがな表記をしようと考えています。障害が個人に宿るものであったり、個人が所有しているものとしてある支援は、ニュースタート事務局関西としては今後もやっていくつもりはありません。障害は社会が個人に押し付けているものだと考え、そのような障害を取り除いていくような場を、支援活動としてこれからも作り続けていければと、今回の特別例会を通じて改めて考えました。

 

スローワーク協会というNPO法人をニュースタート事務局関西が作ってもうすぐ10年になりますが、法人が違うこともありそのこともあまり報告ができていません。引きこもっていた人がニュースタートを通じて社会と関わるようになっても、既成の企業にばかり仕事を頼ってしまうと、そこに就職してまた引きこもってしまうなんてことも十分に考えられるわけで、企業に送り込むだけでなく自分たちで仕事を作らなければと考えて、スローワーク協会を作ったようなところがあります。現在はカフェコモンズの運営や、福祉事業所などをやっていますが、3年以上前からやり始めている「コモンズハート」いわゆる地域のなんでも屋さん事業が本格化しています。不要品の処理や引越しを請け負う仕事なんかが多いですが、物品もよく動くのでまたリサイクルショップもやろうかという話も出ています。現在は共同生活寮のガレージが倉庫となり作業場となっていて、近所で一人暮らしをしている元共同生活寮生が2人、福祉事業所から来られた方が1人、たまに寮生がアルバイトに入るなどして奮起しています。富田町に高齢者の多い地区があるのですが、今度その地域と一緒になって互助的かつ若者も仕事として入っていけるようなお困り事サービス事業のようなことをしようと、今は会議や地域交流しているようなところです。

ところで、ニュースタート事務局関西も千葉のニュースタート事務局と分離して1年が経ちます。6月3日には総会を予定していますので、関心のある方は事務所に電話でお問い合わせ下さい。またそのこともどこかでご報告できれば。

 

カフェコモンズで今年度から毎月第3日曜日に定期的に「子ども食堂」というイベントをやっていく予定です。10年前くらいに千葉のニュースタートでレンタルお姉さんとして訪問活動をやっておられた徳丸ゆき子さんが、その後セーブ・ザ・チルドレンなどの職を経て、現在代表されているCPAO(大阪子どもの貧困アクショングループ)の提案があり、高槻の「多文化市民ネットワーク根っこ」と私たち3団体が協力して、子どもと一緒に料理をして食べるイベントをもう何回かしています。2010年に起こりました大阪2児置き去り死事件などにショックを受けて、なんでこんなことが起こるのかと「ルポ虐待」という本の読書会を、毎週金曜日やっていますコモンズ大学でしたのがきっかけです。社会から孤立させられたシングルマザーのこと、仕事のこと、地域のこと、その親との関係など、徳丸さんもそうですが、杉山春さんという本の著者もかつて青年の就労支援などをされていたようで、引きこもりの話とかなり通じるものがありました。仕事もままならない状態でどうしようもなく子育てもしなければならないシングルマザーと、何をしていいか分からず引きこもっていた人の組み合わせは悪くもないんじゃないかと、自分たちにできることもあるだろうと考えています。見切り発車のようなところですが、何より子どもが好きな人にはいいんじゃないかと。

 

先月に少し触れました河内長野市の滝畑村のことですが、「カフェ放送てれれ」をされている方が、大きくはないですが家を一軒購入されるようです。以前、メディアを作る方法など、表現について私たちにレクチャーしていただいたことがありました。その家の目的は場を作りたいということで、私たちと一緒にと声をかけてもらっています。ダムには沈んでいるものの、大阪とは思えないほど自然豊かな所です。家の掃除から改修改築、どのような目的で使っていくかなどの話し合いにも関わっていければと思っています。現在のところ、夏の旅行の最有力候補かな?

 

その他、元寮生と地ビール工場を作ろうと、地ビール祭りなどに行っては酒をのんだり、鍋の会や夕食会でも相変わらず酒をのんだりとめまぐるしい日々を過ごしております。

2015年5月14日 高橋淳敏

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