NPO法人 ニュースタート事務局関西

祭りの前に

By , 2013年9月24日 10:00 AM

つまらない人間であった

 

私はつまらない人間であった。 小学校のころ、周りの同級生と比べて、友達たちはキャラクターがあってバラエティーに富んでいて、自分はなんて面白みがないのだろうと思っていた。表面的なことでしか自分を表現できず、居るだけで一挙手一投足にその内面や人柄が表れる友達たちをうらやましく思っては、憧れたり妬んだりもしていた。 私の父は会社員で、同じ系列会社の車を買い、その車で毎朝6時に出勤し帰ってくるのは次の日の午前様であった。土曜日にも出勤していたので、父親が普段家にいないことや、日曜日にどこかに連れて行ってくれないことは、子供心に無理だろうとあきらめていた。母は私が中学までは専業主婦で、そんな父の働きぶりというか不在ぶりに呆れていて、しばしばそのことで喧嘩は絶えなかったが、仲が悪かったわけでもなかったので、私も家に居たたまれなくなって不良になるということもなかった。家に訪れるのも友達くらいなものであったので、親戚や近所付き合いもあまりなく、郊外の住宅地といった環境で、大きな鳥かごみたいな所で特別な経験もなかった。両親は一生懸命生きていたので私も自らを卑下するようなことはなかったが、それでも自分はつまらない人間だし、将来の自分はこのような生活のために働いたり努力することはないだろうと考えていた。つまらないと思う自分が、こんな生活からは抜け出したいと考えていたので、私が面白いと思っていた友達たちはどんな突拍子もない将来を歩むのかと思っていた。 中学になり高校になり、その友達たちがつまらなくなってきた。そして、私の父親のようになろうとしていることに気がついた。一人は私の父親のようになり、一人はその志半ばで病気になり、一人は今でもなろうとしている。

つまらない人間が増えた。

私は祭りが嫌いであった。郊外のマンションで育ち、父が会社員で母が専業主婦で、ノリがその祭りのものと違うし、コミュニティーなんてものはないので、生活に根づいた音楽というものは、無味乾燥なものであった方がよかったくらいだった。それでも祭りは、かつてのあったかもしれないつながりを取り戻そうと無理やりにでも盛り上がろうとする。私が面白いと思っていた友達たちはそんなところで活躍する人たちではなかった。面白いことと生きていけることは違うことなんだと誰かは言うだろう。でも、面白いことがあるから生きていけるし、生きているには労働や仕事が関わってくる、この順番が大事なのだと思う。生きていれば面白いことがあるというのは嘘だ。祭りは私にとって面白いことではなかった。

ニュースタート事務局関西は祭りが好きだ。それは会社員家族が昔はこういうので盛り上がっていたんだよなと、レジャー施設よろしく露店を徘徊する消費者としての祭りではない。そこに集う人たちが耳を澄ませ、自分たちのノリをつくっていく、自分たちのための祭りである。夕食会で寮生や元寮生とご飯を食べながらしみじみ思うことは、私が小学生の時に友達に感じた面白みである。引きこもっていたといっても、みながそれぞれにキャラクターに富んでいる。そして彼らはつまらない人生を選択していない。その彼らと当日来てくれた人たちとでどんなノリがつくれるのか、それがどんなであっても今から祭りが楽しみです。

「とんだエコノミック」とは

祭りは「とんだエコノミック」と題しました。 直訳すれば、富田地域の経済のあり様ということですが、エコノミックというのはイコールお金というだけではなくて、その語源はオイコス、家や共同体、社会生活をする上での最小単位を意味するところがあります。引きこもりがちな人が、出て行って少しでもそのグルーブを感じれる地域を作ろうと企んでいます。

生活を支えている物の多くを、私たちは地域の外から調達しています。生活を支えてくれる仕事や労働も、地域の外の人の働きであることがほとんどです。そのような生活はお金が実現してくれますので、稼ぐために私たちは地域の外へと出て行きます。それでは私たちが関わっていて、育ててくれるはずの地域というのはどこにもありません。  学校に行けず部屋に引きこもっていたり、ニートと言われ働いていなかったり、仕事がうまくいかず病気になったり、退職して孤立する人が増えるのは、この地域社会が地域のものでなくなってしまったことで、一歩外に出ても誰にも相手にされなくなったことが大きな要因だと考えています。学校や会社での所属を失うと、たちまちにして人は地域での関わりも失います。私たちは地域の外での肩書でしか、危険人物ではないということでしかそれぞれのことを知りません。はたらきは、遠く知らない人のためにあるだけでなく、近くの人のためにあるはずです。  一人みじめにならず、私たちに何ができるのか、今回の「とんだエコノミック」と題したお祭りを通して、その可能性を見たいです。多くの方のご賛同とご協力をお待ちしております。

2013,9,19  高橋淳敏

 

 

 

 

 

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