書籍案内・書評
『社会的引きこもり―終わらない思春期―』 斎藤 環著 PHP新書(PHP研究所) |
ひきこもりとは何か? 信頼できる数少ない精神科医の著した入門書。引きこもりへの偏見を排して、親や周囲の人のとるべき態度や回復への道を探る。 | 書評 |
『私がひきこもった理由』 田辺裕著 ブックマン社 |
引きこもり経験をもつ15人の青年男女へのインタビュー記録。専門家の解釈を100回聞くよりも、引きこもり経験者の真の声に耳を傾けてみるべき。 | 書評 |
『「ひきこもり」だった僕から』 上山和樹著 講談社 |
ひきこもり「当事者」だった著者が、これまでの自分を振り返りつつ、「問題の核心」にせまろうとし、さらに、「問題」の解決に「貢献」しようとしたもの。 | 書評 |
『激論!ひきこもり』 工藤定次・斎藤環著 ポット出版 |
『社会的ひきこもり』(PHP新書)の著者、精神科医斎藤環氏と、ひきこもりに自立を促すタメ塾を25年間運営してきた工藤氏との対談。ひきこもり当人や親、さらには支援に関わる人に一読を勧める。 | |
『「引きこもり」から「社会」へ』 荒川龍著 学陽書房 |
ニュースタート事務局(千葉)に取材した引きこもりからの脱出体験記録。8人の体験をジャーナリストの気負いのない目でつづったオムニバス形式で、ニュースタートの到達した地平を過不足なく伝えている。この本を丹念に読めば、引きこもりの実態と、そこからの脱出経路が見えてくる。 | |
『レンタルお姉さん』 荒川龍著 東洋経済新報社 |
ニュースタート事務局(千葉)に取材したレンタルお姉さん・お兄さんの軌跡。訪問活動の舞台裏が丹念に描かれている。 | |
『しょうがねえじゃん俺生きてるし』 松本創 著 河出書房新社 |
学校なんてぶっとばし、フリースペースで自由な活動を追求する新しい登校拒否児の生き方を。自らの軌跡と友人たちとの交流を踏まえて大胆に。パワフルに綴った手記。(Amazon.co.jpより引用) | |
『引きこもりは病気ではない』 西嶋彰 編著 NPO法人ニュースタート事務局関西 |
ニュースタート事務局関西事務局長西嶋彰がこれまで、折に触れて書いてきた文章を纏めたもの。精神科医宮地達夫さんとの「対話」も、ホームページ未掲載分も所収。 | |
『親と教師が少しは楽になる本』 佐々木賢著 北斗出版 |
教育に対する過剰な『信頼』が『教育』を荒廃させ、問題を解決不能な彼岸に押しやった? 学校に対する幻想を捨てきれないすべての人々に一読を勧める。 | 書評 |
『就職がこわい』 香山リカ著 講談社 |
なぜ若者は就職しようとしないのか!?職に希望を持たない若者。就職する意志もない若者。働くことをあきらめている若者の「就職不安」の本当の原因とは!?仕事に揺れる若者の「生き方と心」の悩みを分析する。(Amazon.co.jpより引用) | 書評 |
『<私>のメタフィジックス』 永井均著 勁草書房 |
永井均は現存する哲学者のなかで、自ら哲学をしている極少数の人々の一人だと私は思っています。この永井さんも大学教授におさまって多小切れ味は落ちてきたとは言え、『子供のための哲学』(講談社新書)など沢山の本を書いています。私は彼の最初の単行本であるこの本を、独我論で悩む人に勧めたい。驚くべきことに、この本は哲学的言語を知らなくても読み通すことができます。 | 書評 |
『スローな働き方と出会う』 田中夏子、杉村和美 著 勁草書房 |
就職しない(できない)若者が増えている。でも人は働くことなくして生きていくことはできない。人間を大事にする働き方、それが『スローワーク』。農村女性達の仕事起し、倒産企業からの『労働者事業体』などのルポを通じて、新しい働き方の可能性を探る。ニュースタート事務局関西への取材やワーカーズコレクティブへの取り組みにも論及している。 | |
『13歳のハローワーク』 村上龍著 幻冬舎 |
『好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか?』この本の惹句は、ニュースタートが主張するミッション(天職)探しにつながる。『共生虫』『希望の国のエキソダス』など若者たちの心の叛乱を描いてきた作者が、単なるストリーリーテラーでないことを証明した思考の到達点としての一冊。本の中身は別として、作者の思考回路に共鳴。 | |
『モモ』 ミヒャエル・エンデ 著 大島かおり 訳 岩波書店 |
不思議な少女モモが<時間泥棒>達と戦う、名作ファンタジー。経済中心の現代社会を批判する寓意の中に、引きこもりの発生が予言されている。 | 書評 |
『扉のむこうの物語』 岡田 淳 著 理論社 |
小学校の倉庫の中から始まる空想冒険物語。「分類」することを仕事にするピエロは、果たして敵か味方か? 日本版『モモ』ともいえる秀作ファンタジー。 | |
『希望の国のエクソダス』 村上 龍 著 文藝春秋社 |
近未来予言小説。ある日全国の中学生が集団で不登校に。大人たちは驚天動地で右往左往するが、やがて中学生たちが日本の危機を救う事になる |