NPO法人 ニュースタート事務局関西

「高槻西ニュー自治会」髙橋淳敏

By , 2017年6月19日 10:06 AM

連日国会では、国家戦略という総理大臣肝いりの、もりとかけそばの注文が通らない話と、共謀して共謀罪を成立させる話をしていた。ビデオやニュースでその様子を見ていると、事は進まないというか、行政の「ありき」を野党が許すまじと追及するも、情報なり根拠が出てこないので議論にならなかった。二つの問題とも同じところで躓いているのだろう。今の政府になってから如実にその傾向が表れてもいるが結論から言って、国が人よりもその重みが勝ってしまっている。それが行政や国会運営が上手くいかない原因だと考える。民主主義国家において、人があって国があるのを基礎にしなければ、すべての議論や話し合いは空転するはずだ。与党多数で政局も気にしないのでいろいろ押し切っているが、人よりも国体のようなものが尊重されるのでは、一番やりたいのは憲法改正だろうが、今のままでは民主的に改正することは理屈としてはできない。今の政府は理想とする国家があるように語り、国民を守るような約束でミサイルやら教育などについてもしゃべる。だがしかし、国民を守るために国を大事にするのだと、常には国体のようなものが優先される事態へと陥る。そこで目指される国家が、なんだか立派なものではなかったわけだが、今回の内閣は*グローバリゼーションお友達主義という、狭い世界の金の話しだったと露呈して、それを野党が追及しているようなのだ。グローバリゼーションお友達主義とは、今の多くの日本人を代表しているようで、似つかわしい政府なのかもしれないが、国の中心で岩盤規制を突破できないと国家元首らしい人に叫ばれても、それはコメディーであっても、多くの人の多くの時間がそんなことに費やされたのはばかばかしい。

その一方、注目すべきは共謀罪の審議だが、法務大臣は見るからに操られているようで、幾多もの力が働いていたようだ。政府は他にも悪いことをしている自覚があって、自らの権力が及ばず統制できない事態になることに、とても神経質になっていた。この法案成立で国民の管理や監視ができ、国は情報を隠せる。それにしても近視眼的である。自分たちが政権を取れなくなった時のことを考えていないし、取れなくなったら国は終わるとでも思っているようだ。この法案は国民にとって直ちに被害はないが、無くていいものを有事にする力を持ち、有事の際は国に逆らう人をなき者にする一方的な力を持つだろう。今回の国会会期中の一連の情報の開示のされ方に表れたが、国民が知りえる行政機関の情報は出さなくてもよく、漏洩してはいけない個人情報は出てしまっている。たぶん裏ではもっと個人情報を握られ、脅しにもなっているはずだ。準備罪とかで監視が強化されると「印象操作」なんかによって、今よりも政権が力を持つことになる。例えば冤罪でも逮捕でき、都合の悪い人や団体を一定期間くらいは排除するなどして弱体化させるくらいには。粛清は始まっているが見えにくくなるだろう。国体は世間体となり、お互いを監視や管理しあう社会は強化される。今まで以上に思ったことを声に出しにくくなる。これは特に困る。特定秘密保護法もそうだが、このような流れはずっと途切れずに続き、今の内閣支持率も下がらないようで、多くの人が管理や統治を望んでもいるようだが。しかし憲法改正についても、国や政府や時の権力者の暴挙を取り締まることこそが、法の基本であるのだろうに今回もそこの項目は全く欠落している。

ここまで表題と関係ないようなことをつらつらと書いてしまったが、私たちが今度やりたいと思っている集まりは、このような政治的背景があってのことではある。むしろ国がこのような政治しかできなくなってしまっては、私たちの日常生活も引きこもり問題解決も困ってしまうわけだが、変えることもできないのならば、今まで以上に自分たちでやらなくてはならないだろう。岩盤規制を突破すると声高に叫んだところで、垂れ流すだけの公共事業のようなものしか考えはないのだから、いい顔したいのは近くのお友達くらいで国の行く末についてなんて考えはないのだ。ましてや地方は利用されるしかないだろう。私たちも国の行く末なんてあまり考えていないが、今の自分たちのことは自分たちでやっていかなくてはならないだろう。そして、民主主義に力があるのならば、少数の集まりの対話の中でこそ育まれるはずだ。

ところで、ニュースタート事務局関西の共同生活寮を出た人の多くは、一人暮らしをしている。結婚したような人もあるが、家を持って自治会に参加しているような人はほとんどいない。それでも、仕事のこともあって長い間この地域で暮らす人は増えてきた。でもやはり賃貸生活であれば、長年住んでいたとしても今の自治会になかなか参加はしにくい。最近私は自治会に参加することにしたが、今の自治会は高齢化が進み若い人がおらず、話題の半分は地域で亡くなった方のことだと話されていたし、実際そこで話されていた。もちろんそのような話し合いや今までの自治会も大事だが、ここの寮から出て一人暮らしをしている人に限らず、あらゆる事情を持ちながら長らく賃貸の生活をされている方も知っている。それで特に賃貸生活者や若い人が中心になった新しい自治会を作りたいと考えた。私の個人的な思いは切実である。お日柄もいい季節には、たまにはビール片手に日中の公園で子どもたちの遊びに混じったり、遊具に寄りかかったりしてボーとして時間を過ごしたいのだ。今そんなことをやったとすると、声かけ事案が発生したとPTAからのメールが回り、変なおじさんだと子どもたちは蜘蛛の子を散らすように逃げてしまいかねない。もちろんそれでも堂々としていいのだが、公園も少ないし、公園で遊ぶ子も少なくなった時代に、公園で遊べなくさせるような、そんな加害者になることは本意ではない。公園でビールを飲むくらいで加害者になることもなく、地域の管理や監視の目から解放されたい。そのためには、日ごろからの地域での交流や、話し合いによるお互いの理解が必要である。そして問題解決も。一人じゃないはず、集まろう。

※グローバリゼーションお友達主義

グローバル化を目指しつつも結局は自分たちさえよければいいという態度に終始するさま。考え方や文化の違いをコミュニケーションや理解によって出会う気はない閉鎖的なお仲間主義。

2017,6,16 髙橋淳敏

2 Responses to “「高槻西ニュー自治会」髙橋淳敏”

  1. おほほ太郎 より:

    徴兵制になった方が、有無を言わせず、引きこもり脱出出来てイイかもね。w
    拒否したらしたで、軍刑務所行きで居場所もできるし。w
    実際、戦中の古参上等兵あたりは、平時ではマトモな社会人なんか務まらないような人たちだったらしいし。
    そういや、引きこもりだったかな?「戦争待望論」とかありましたね。

    • 高橋 より:

      いろいろとやりづらいし、変えることもできないのならば、いっそ徴兵や戦争なんかの言葉を持ち出した方が、世の中は変わるかもしれないと考えるのは分かります。
      ですが、引きこもったのは、人と傷つけ合ったりしたくないし、争ったりもしたくないような心持もあって、引きこもる人も多いわけです。なので、徴兵制や戦争などを持ち出して引きこもり問題を解決しようとするのは問題自体を無かったことにしようとする事で、何よりも引きこもりという直面させられた問題を自分とは関係ないこととして解決する態度でもあるし、賛同はできません。

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